X線画像応用
(X-ray Imaging Application)
IVR支援技術
概要: Interventional Radiology(IVR)とは,主にカテーテル治療を指し,開腹手術と比較し低侵襲な治療方法です.IVRでは,X線で体内を透視することで術具の位置を把握します.しかし,血管はX線上に写らないため,Digital Subtraction Angiography(DSA)と呼ばれる,骨などの背景情報を除去し,血管だけを強調表示する手法が利用されます.DSAを行う際には息止めが必要であり,これは患者にとって負担となります.そこで,動画像処理による息止めの必要ない血管強調手法の構築を目指しています. |
自然呼吸下X線造影像からの血管成分分離と血管ロードマップの生成
河辺杜生,小倉優理 |
概要: 自然呼吸下で撮影された造影像に対して,ロバスト主成分分析(RPCA)を用いることで,血管成分である造影成分の分離を行っています.RPCAの課題である処理時間の短縮にも取り組んでいます.また,造影が断続的になり一部の血管しか見えない問題に対して,複数の画像を融合することによる血管ロードマップの生成を行っています.これにより,IVRでの患者の負担を軽減した術野把握を目指しています. |
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研究費: 受賞: 特許: 外部発表リスト:
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呼吸同期DSA像の生成を目的とした自動呼吸位相マッチング
市川和輝 |
概要: 本研究では,カテーテル留置直後に自然呼吸状態で取得した造影像と,術中の透視像のマッチングを,機械学習を用いることでリアルタイムかつ自動で行います.抽出した画像対からDSAを常時行うことで,呼吸の影響が考慮された呼吸同期DSA像を患者の息止めなしに提示するシステムの構築を目的としています. |
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不定撮影軌道下でのX線トモシンセシス
加藤拓哉,佐藤康平 |
概要: 近年,X線CTよりも低被曝な断層撮影法としてトモシンセシスが注目されています.しかしながら,CT装置と同様に従来のトモシンセシス撮影装置は大がかりであり,画像取得時のX線源の可動範囲には大きな制限があります.本研究では可搬性の高さとX線源の可動範囲の広さから,回診用のポータブル型X線撮影装置に着目しました.ここで,撮影時におけるX線源と検出器の位置関係が測定できない点と,自由なX線源位置での撮影では従来の画像再構成手法を直接適用できない点が問題となります.そこで,本研究ではX線源付近にキャリブレーションオブジェクトを配置し,画像処理ベースで撮影時の位置関係計測を行います.また,位置関係の自由度を考慮した画像再構成を行い,トモシンセシスシステムの実現を目指しています. |
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学会発表
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カテーテル留置直後の血管造影像と術中透視像の呼吸位相マッチングによる呼吸同期ロードマップの生成
高野裕也 |
概要:カテーテルを用いた手技はX線透視像等の画像誘導下で治療位置に誘導されますが,透視像上では血管走行が確認できないため,血管造影やDigital Subtraction Angiography(DSA)と呼ばれる,骨などの背景情報を取り除き,血管像だけを表示する手法が利用されます.しかし,DSAでは息止めにおける任意呼吸位相の血管走行しか観察できないため,呼吸に伴う移動や変形を考慮できません.そこで本研究では,カテーテル留置直後に取得した自然呼吸下の造影像と術中の透視像を用いることで,常時血管走行が確認可能な血管ロードマップの構築を目的としています. |
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共同研究者:キヤノン 外部発表リスト: 学会発表
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CT血管像の3次元呼吸性変形処理
菅沼昭平 |
概要:近年,Interventional Radiology(IVR)が注目されています.IVRでは血管に挿入されたカテーテルなどの位置を把握するためにX線透視が用いられますが,血管のような軟部組織は単純なX線透視では確認できず,目標部位までの誘導に時間がかかります.そのため,臨床では血管を強調する造影透視像や術前に取得したCT像が使用されます.また,術前計画でCT像上に配置したマーカをX線透視像上に投影することでX線透視像とCT像の対応付けが行われています.しかし,CT像は息止めで撮影されるため,術中の自然呼吸によって血管が変形すると対応関係が崩れます.そこで本研究では,術直前に自然呼吸下で取得した造影透視像と術前に取得したCT像を用いて,呼吸に同期したCT像に変形します. |
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共同研究者:キヤノン 外部発表リスト: 学会発表 |