羽石研究室
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蛍光イメージング

(Fluorescent Imaging)

蛍光イメージング

現在:齋藤 優(B4) 卒業:小平 典子, 谷口 央樹

脳腫瘍の中で、特に治療が難しいと言われるものに神経膠腫があります.神経膠腫は周囲に組織に染み込むように広がる特性を持ち、外科的にすべてを取り除くことが難しいとされています.
その中で腫瘍範囲を特定する方法として、5アミノレブリン酸(5-ALA)を用いた悪性脳腫瘍の蛍光診断が広がりつつあります.5-ALAはアミノ酸のひとつで、細胞内で代謝され生命活動に必要なヘムと呼ばれる物質へと変換されます.その一方で、腫瘍細胞ではヘムの前駆体であるプロトポルフィリンIX(PpIX)が特異的に蓄積することが報告されています.PpIXは青紫光を当てることで赤色の蛍光を発する特徴があり、この蛍光性を利用すれば、手術中に腫瘍範囲を同定することが可能です.診断法としての課題は、蛍光の判定が肉眼によってなされ、主観的かつ定性的な点です.そこで本研究では、PpIX蛍光像から腫瘍の細胞密度など腫瘍陽性の程度を直接推定する方法の確立を目指しています.
ここで診断の指標となる蛍光の明るさは、蛍光を発生させるための励起光の強さや当たり方によって変化します.また、励起光を当て続けることで、蛍光の明るさが低下する退色と呼ばれる現象も存在します.腫瘍陽性度推定は、このような蛍光強度の変化を考慮したものでなければなりません.
現在、私たちは蛍光強度の変化を考慮したPpIX濃度推定法の開発を目指しています.そしてPpIX濃度と腫瘍陽性の程度の関係を、病理組織を観察することで対応付けようと取り組んでいます.
そのほか、術中は蛍光観察のため、繰り返し照明を切り替えて腫瘍位置を記憶、そして切除を行いますが、照明を切り替える作業が、手術のワークフローを煩雑にしてしまっています.
そこで白色光と励起光の高速切り替えと実時間処理による蛍光強調表示法を開発しています.

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共同研究者:千葉大学フロンティア医工学センター 川平洋 准教授
千葉大学大学院医学研究院 岩立康男 准教授
クオピオ大学病院脳神経外科 Mikael von und zu Fraunberg
クオピオ大学病院脳神経外科 Juha E. Jaaskelainen
東フィンランド大学コンピュータ学部 Markku Hauta-Kasari

研究費:新学術領域研究(公募型)(課題番号15H01106),代表,5-ALAを用いた脳腫瘍手術中の定量的腫瘍イメージング技術,2015-2016年度

受賞:

外部発表リスト:
学会発表

  1. Hiroki Taniguchi, Takashi Ohnishi, Yasuo Iwadate, Heideaki Haneishi: Convienient and Reliable System of 5-ALA-Induced Fluorescent Imaging for Brain Tumor Surgery, International Symposium on InfoComm and Media Technology in Bio-Medical and Healthcare Application (2015 IS-3T-in-3A), P34, Chiba, Japan (2015.11.15-18)
  2. 谷口央樹,大西峻,岩立康男,羽石秀昭: 5-ALAを用いた脳腫瘍手術のための術中蛍光診断支援システム,日本光学会年次学術講演会(Optics & Photonics Japan 2015), 30pA7,筑波大学東京キャンパス文京校舎(2015.10.28-30)
  3. Hiroki Taniguchi, Noriko Kohira, Takashi Ohnishi, Hiroshi Kawahira, Mikael von und zu Fraunberg, Juha E. Jaaskelainen, Markku Hauta-Kasari, Yasuo Iwadate, Hideaki Haneishi: Improving Convenience and Reliability of 5-ALA Induced Fluorescent Imaging for Brain Tumor Surgery, MICCAI 2015, Part 3, LNCS 9351, pp. 209-217, The 18th International Conference on Medical Image Computing and Computer Assisted Interventions, Philharmonic Hall, Munich, Germany (2015.10.5-9) DOI: 10.1007/978-3-319-24574-4_25
  4. 谷口央樹, 小平典子, 大西峻, 川平洋一, 岩立康男, 羽石秀昭: 5-ALAを用いた脳腫瘍摘出手術のための支援システム, 第34回 日本医用画像工学会大会, PP26, 金沢歌劇座(2015.7.30-8.1)
  5. 谷口央樹,小平典子,大西峻,羽石秀昭: 5-ALAを用いた脳腫瘍摘出手術支援のためのシステム構築,O3-5,情報フォトニクス研究会,静岡大学(2015.3.10)