千葉大学工学部 メディカルシステム工学科
千葉大学大学院工学研究科 人工システム科学専攻 メディカルシステムコース

 鈴木研究室

骨、関節モデルの作製

 手術トレーニングを行う際に使用する骨、関節モデルを開発しています。写真は膝関節モデルと肩関節モデルです。新鮮献体骨より股関節を取り出し圧縮試験を行い、頚部骨折を引き起こす力学強度を調べます。圧縮試験前にCTを撮影してDICOMデータから3Dモデルを作製します。新鮮献体骨の骨折強度に近い値が得られるように骨モデルの構造を工夫します。骨や骨モデルに歪みゲージを取り付けて骨折の過程を解析し、モデルが実際の骨に近い骨折過程を示しているか検討します。

膝関節モデル 肩関節モデル 3Dプリンタで作製した骨モデルと骨折強度 骨モデルと歪ゲージ

超音波顕微鏡を用いた軟骨、腱、骨の解析

 超音波顕微鏡を用いて、軟骨、腱、骨などの硬さを解析しています。マウスやラットを使用して若年齢、高齢で、どのように軟骨、腱、骨などの性質が変わるかを検討しています。手術時に採取されたサンプルを用いてヒトでも解析も行っています。写真はラットの軟骨のサフラニンO染色とそれに対応する部分の音速値を示します。

Radiofrequency identification (RFID)に関する研究

 Suicaなどに使用されているRFIDシステムを人工関節に応用する研究をおこなっています。人工関節では10年以上の経過で再置換術(人工関節の部品がこわれたため取り替えの手術)を行うことがあります。転居などにより、初回に行った手術の情報がわからなくなることがあるため、人工関節にtagを埋め込む研究をしています。写真は人工関節の摺動面を形成する超高分子量ポリエチレンにtagを埋め込んだ製品です。

金属材料に関する研究

 人工関節では、コバルトクロム合金やチタン合金と超高分子量ポリエチレンの間で摺動面を形成しており、この摩耗を軽減することが人工関節を長期間維持することにつながります。研究室では、この摩耗を低下させる研究を行っています。また、金属と骨との結合を高める(生体活性化)研究を行っています。写真は生体活性処理したチタンを擬似体中で3日間浸漬後にSEM観察したものです。表面にアパタイトの析出が見られます。