生体等価ファントム

ファントムの電気的特性
電磁波用のファントムは、測定環境の温度(室温)において実際の生体の温度(体温)における電気定数を模擬していれば、電気的には生体と等価となります。 水を主成分としたマイクロ波帯用ファントムは、ポリエチレン粉末の量を調整することにより比誘電率食塩の分量を変化させることにより導電率を調節可能であるため、高含水組織であれば様々な組織を模擬することが出来ます。

アンテナ放射パターンの測定

広い周波数帯域にわたって人体の影響が含まれた放射パターンが測定可能である。

サーモグラフィー法によるSARの測定

サーモグラフィー法とは、電磁波源によるファントムの温度上昇をSAR(Specific Absorption Rate:比吸収率)に換算する手法である。マイクロ波帯などで特に重要とされる人体表面におけるSARの測定が可能であることや、多層構造にすることにより、筋肉、脂肪、皮膚などの生体内部構造のモデル化が可能であることが利点として挙げられる。

多層構造ファントム

多層構造ファントムは、前述したサーモグラフィー法によるSAR測定のほかに、体内埋め込み機器などのアンテナと人体との電磁的相互作用を定量的に把握し、設計に役立てる目的にも適用可能である。