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電磁波による生体物性の観測

電磁波による生体作用を評価するためには,生体組織の電気的特性を知る必要があります。この生体組織の電気的特性は,測定する周波数で大きく異なります。近年の携帯無線端末利用者の増加により,その無線端末が使用する周波数帯である数100MHz~数GHz付近での生体組織電気定数測定はいくつか測定されています。そこで当研究室では,ハイパサーミア加温装置や電気メス装置などに用いられる数100kHz~数10MHz付近での生体組織電気定数を測定しました。また,この測定においては,測定試料電気定数の温度依存性も観測しました。図Aは,ブタ肝臓組織の300kHzでの比誘電率・導電率測定結果です.生体組織の熱変性が生じる60~70°C付近で,値が大きく変化することがわかります。さらに,この電気定数の大きな変動の理由を探るため,細胞組織を染色し顕微鏡で観測したものが図Bです。加熱前の組織では細胞核,細胞膜が観測できるのに対し,100°Cまで加熱した組織では細胞膜が破壊され,細胞内部の細胞質が流出したと考えられます。
生体組織の電気定数測定
Chiba Univ. CFME TMS

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