リン脂質から構成されるリポソームは、その粒径によりリンパ系に取り込まれやすい性質を獲得することが明らかにされています。また、インドシアニングリーンなどの近赤外蛍光色素を配合したリポソームは、近赤外光の照射により熱や活性酸素を発生することが知られています。われわれは近赤外蛍光色素を配合したリポソームに免疫活性化物質を内包するなどして、近赤外光照射を利用した癌転移リンパ節の免疫治療を可能にする薬物送達システムの開発を行っています。
医療機関ではしばしば院内感染の危険性が問題視されています。そこで千葉大学附属病院の協力の下、実際の病院検査室にて細菌採取を行い菌数、菌種の判定から汚染状況の解析を統計分析ソフトであるRを用いて行っています。また、抗菌加工技術に対しての臨床研究を行い、菌媒介の制御に対する有効性についての検討をしています。
保険収載される術式の拡大により、肝切除に対する腹腔鏡下手術の症例の増加が予想されています。腹腔鏡下手術では組織の位置関係を正確に把握する必要がありますが、術野に制限があるため、支援が必要だと考えられます。そこで、本研究室で開発された近赤外光とX線下で高感度に検出できるデュアルイメージングマーカーを用いた位置合わせを行うARナビゲーションシステムの検討を行っています。
AIを用いた研究では、千葉大学病院などから提供された実際の臨床データを用いて治療効果やがん転移等についての予測モデルの作成をしています。また、同様に実際に得られた病理画像などの医用画像を用いた診断支援を目指した研究を行っています。
低侵襲化外科治療において頻用されるバイポーラーシーリング装置や超音波凝固切開装置の発生する迂回電流やキャビテーションなどに対し、工学的計測および生体組織を用いた解析を行い、予期せぬ手術中の有害事象の可能性に関して検討し、安全な機器の使用方法の提案を行っています。
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