卒業生から後輩へのメッセージ

2009年3月のホームカミングの際に,OBOGから募集した
「研究室卒業生から後輩へのメッセージ」を以下に掲載します

課題・テーマに取り組む時は、実用化をイメージし、QCDのバランスを考えて

(2002年度M卒)

補足:QCDとは、Quality:品質、Cost:コスト、Delivery:納期のこと。研究テーマでも、要素技術開発でも、(特許の明細書でも)、ストーリー作りは大事で、どのくらいの品質・性能のものを、なるべく低コストで(場合によっては基礎となる必要な技術はお金で買う!)、いつまでに世に送り出す、というゴールをイメージする習慣はつけておくと、私のように苦労しなくて済むかなと思っています。

 

ソフトウェアに関わる職に付いた場合に必要とされる知識の自己啓発として、資格試験を勉強してみると良いです。特にIPA(情報処理推進機構)の応用情報技術者以上の試験は、受からなくても勉強するだけで多くの価値があります。

(2004年度M卒)

補足:資格を取れというのではなく資格勉強することが必要だという意味で受け取ってください。

 

・「自分はこの研究をしたかったんじゃない…」と言い訳をしていませんか?
会社ではいきなり自分の好きなことをさせてもらえる(任せてもらえる)人なんてほとんどいません。与えられた仕事のなかで自分の力を示し、相手を納得させ信頼を得てこそ、初めて自分のやりたいことをアピールできます。まずは、与えられたことを確実に達成しましょう。

・毎週の定例報告のときに、「これが俺(私)の1週間の成果だ!」と自信をもって言えますか?
「周りがそんなに頑張ってないから自分もいいや」と考えていると、環境が変わった時(入社・異動等)に痛い目にあいます。周りに合わせるだけではなく、自分が納得できるまで頑張りましょう。

・資料の作成で手抜きしてませんか?
同じ内容なら見た目で勝負が決まります。そして、見た目が悪い(見にくい・読みづらい)と、内容を読んですらもらえません。相手に頑張って読んでもらうのではなく、自分が頑張って読みやすい資料を作りましょう。

(2006年度M卒)

 

社会に出ると新しく学ぶことがたくさんあります。とても一度では覚えきれません。
そんな時に必要となるのがメモをとる力です。学生の内からゼミや雑誌会などでメモをとる練習をしておくとよいと思います。

(2007年度M卒)

 

1.プログラム
プログラムはほとんどforとifがあればなんとかなるもんですが、ただ動くものを作ればいいのは学生までです。今のうちにいろいろ試してみるのもいいかと思います。(学生はアルゴリズム重視、社会人はプラス効率)
→せっかくC++の開発環境があるので、時間があればオブジェクト指向を勉強するとかもいいかもしれません(ちなみに私の学生時代はC++の開発環境でCで書いていました。関数をクラスにするだけ)

2.ネットワーク管理などの知識の共有
他の人の研究などに興味を持ち、知識の幅を広げるのも有効かと思いますが、私が学生時代にもっと学ぶべきだっだと思うことにパソコンの基礎知識があります。
私のときは主に奥山君に任せっぱなしでしたが、社会に出ると自分のパソコンのセットアップは基本的に自分で行わなければならなく、苦労しました。そこで、そのような基礎知識は有識者に任せるのではなく、なるべくみんなで共有したほうがいいかと思います。どの会社でもそのような講義は少なからずあるはずですし。

3.同期との絆
会社に入っても同期との絆があると心強いです。
自分が会社に入って苦労していることは同期の人も、環境、程度は違えど、味わっているものです。そんなときにどう乗り切ったのか、どう行動したのかを聞くととても参考になります。ただ愚痴を聞いてもらうだけでもすっきりすることもあります。

4.旅行
最後は余談ですが、会社に入るとまとまった休みというものが学生の頃とくらべると比べものにならないくらいないです。今のうちにまとまった休みがある場合は遠出をしたりして、思いっきり遊んでください。また、そこでおもいっきりストレスを解消することで、次から研究に打ち込めたら一石二鳥だと思います。

(2007年度M卒)

企業で働く上では、時間が限られており、その限られた時間を有効に使えるかは自分次第です。ゆえに、学生時代からメリハリをつけて生活し、集中力をつけておくことがよいと思います。

(2007年度M卒)

 

社会人になるといろいろな場面で人前で話をする場面があります。羽石研でのプレゼンの指導はどんな職種でも有効だと思います。人へ説明することをたくさん経験して今のうちからどうしたら人へ思いが伝わるか意識して日々のプレゼンに望んでください。

(2002年度M卒)

 

【何事にも期限を設定し、それぞれ優先順位をつけること】
すべきこと(ToDo)が発生したら、期限と優先順位を必ずつけ、整理し、自分自身をマネージしていくことが大切です。それには、期限と優先順位が入った「ToDoList(すべきこと一覧)」等を作成するのが効果的です。なにから着手した方が良いのか、すべきなのかを的確に判断する力が付きます。この判断力は仕事が多くなればなるほど重要になってきます。

ポイントは以下の2点
①やりやすいことから着手するのではなく、期限や優先順位で判断し、重要なものから着手すること
②これを続けること(めんどくさくなってやめないこと)

ビジネスではもちろんのこと、日々の研究生活でも有効だと思うので、ぜひ取り組んでみてください。

(2002年度M卒山田)

 

自分が会社で働いてきて特に大切だと感じていることは、自分の核となる技術分野を持つことです。
組織の中ですぐ頭に浮かぶような存在にまでなれれば、ある程度は自分の思ったように仕事を進めることができますし、自分が困ったときには周りの人が積極的に協力してくれるようになります。
そして、そのための素地となるのが大学での卒論や修論での研究だと思います。
個別の研究内容は専門性が高いので、それ自体が仕事に直結することはあまり無いとは思いますが、そこで学んだこと(文献調査、実験の組み立て方、プログラミング、レポートのまとめ方、プレゼンなど)が全ての基礎になります。
また、大学では他の人のいろいろな研究を見る機会がたくさんあります。詳細な内容まで熟知する必要はありませんが、少し心に残る程度には話を聞いておくと自分の引き出しが増えて良いと思います。

(2001年度M卒)

補足:私が学生時代の自分に一番言いたいのは「時間を無駄にしてるな~」ということです。学生さんに言ってもまだ理解できないと思いますが...

 

学生の頃が最も素直に研究分野を俯瞰することができる時期です。研究の進め方やプログラミングのスキルに加えて、その研究が役立つ分野、ユーザーのことも学んで欲しいと思います。

(2002年度B卒)

補足:病院スタッフと開発ベンダとの調整などを行う担当者として、また診療放射線技師として、上記を伝えたいと思います。

 

大学や研究室で学んだことは、社会にでてすぐには使えないかもしれない。しかし、それが自分の助けとなるときが必ずやってくるので、何事にも興味をもって取り組んでほしい

(2000年度B卒)

補足:偉そうなことを書いてしまいましたが、要は「いざ!というときに引き出しがたくさんあったほうがいろいろな対応が取れるし、チャンスも巡ってくる」というようなことを言ったつもりです。