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分光情報を利用した臓器血行状態の評価

(Evaluation of Organ Blood Flow State Using the Spectral Information)

消化器系の自家移植手術を行うにあたり,切除対象となる臓器の血行状態を把握する必要があります.この臓器の血行状態の判定は目視下では困難です.そのため,臓器の組織酸素飽和度を推定することで,定量的な血行状態評価を目指しています.

分光分布可変照明を用いた術中臓器の見えの明瞭化

倉渕瑶子

複数の照明特性を持つLEDを組み合わせることで多様な照明パターンを実現可能な分光分布可変照明を作成しています。また,手術照明の最適設計を目的とし,血行状態を明瞭化可能な照明条件についての検討を行っています。シミュレーションにより算出した最適照明の実空間での再現に取り組んでいます。
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受賞:
第35回日本医用画像工学会大会「大会奨励賞」:倉渕 瑶子,術中臓器の見えを明瞭化する分光分布可変照明の試作,第35回日本医用画像工学会大会,PP49 (2016.7)

外部発表リスト:
学会発表
  1. 倉渕 瑶子,大西 峻,羽石 秀昭: 分光分布可変照明による術中臓器の見えの明瞭化,日本光学会年次学術講演会(Optics & Photonics Japan 2016),1aA3,筑波大学 東京キャンパス 文京校舎 (2016.10.30-11.2)
  2. 倉渕瑶子, 大西峻, 羽石秀昭: 術中臓器の見えを明瞭化する分光分布可変照明の試作, 第35回 日本医用画像工学会大会, PP49, 千葉大学 けやき会館 (2016.7.21-23)
  3. 倉渕瑶子,大西峻,羽石秀昭: 術中臓器の見えを明瞭化する分光分布可変照明の試作,情報フォトニクス研究会,P2-03,千葉大学 (2016.3.7)

体外循環回路における血液酸素飽和度推定

足立誠

体外式膜型人工肺(Extracorporeal Membrane Oxygenation, ECMO)は体外の人工心肺にてガス交換や体循環の補助を行う緊急処置で,心肺停止した危篤患者等に適用されます.このECMOにおいて,回路を構成するチューブ内の血液SO2を血液採取や回路組み込み無しに推定する手法を研究しています.当研究室では血液の光の吸収度合いがSO2や光の波長によって異なることを利用し,血液の通ったチューブの透過光強度を分光的に取得してSO2推定を行っています.また,臨床でも使用されるチューブと牛血,分光器を用いて実際に吸光度を取得するex vivo実験も行いました.

外部発表リスト:
学会発表

  1. 足立誠, エズムトルスン, 中野和也, 大西峻, 古川豊, 中田孝明, 織田成人, 羽石秀昭: ECMOにおける組み込み不要な血液酸素飽和度推定の試み, 日本医工学治療学会第34回学術大会, O12-5, 埼玉県大宮ソニックシティ (2018.3.16-18)
  2. 足立誠, エズムトルスン, 中野和也, 大西峻, 古川豊, 中田孝明, 織田成人, 羽石秀昭: 体外式膜型人工肺ECMOにおける回路内血液酸素飽和度推定, 日本光学会年次学術講演会(Optics & Photonics Japan 2017), 1pA14, 筑波大学 東京キャンパス 文京校舎 (2017.10.30-11.2)
  3. 足立誠, 大西峻, 羽石秀昭: 透過光強度解析による血液酸素飽和度推定, 情報フォトニクス研究会, O2-03, 宇都宮大学 (2017.3.7)

透過光強度解析に基づく術中臓器の酸素飽和度推定

南佳岳

臓器の透過光強度取得システムを試作し,ブタ小腸から透過光強度を分光的に取得しました.また,得られた分光透過光強度から,Lambert-Beer則に基づいた臓器の吸光度モデル式を構築します.この構築したモデル式を用いて,臓器の組織酸素飽和度の推定を行っています.
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共同研究者:フロンティア医工学センター 川平洋 准教授

研究費:文部科学省科学研究費補助金基盤研究(B)(課題番号:25282151) 千葉大学COEスタートアッププログラム

受賞:

外部発表リスト:
学会発表
  1. 南佳岳,大西峻,川平洋,羽石秀昭:透過光強度解析に基づく術中臓器の健常性定量化の基礎検討, 電子情報通信学会技術報告, Vol.113,No.410,pp.295-300,メディカルイメージング連合フォーラム2014,那覇市ぶんかテンブス館 (2014.1.26-27)
  2. 南佳岳,大西峻,川平洋,羽石秀昭:透過光強度解析に基づく術中臓器の酸素飽和度推定,O2-2,情報フォトニクス研究会,電気通信大学(2014.3.4)

近赤外分光画像による臓器の血行状態の定量評価

手塚千絵

さまざまな血行状態におけるブタ小腸のハイパースペクトル画像から分光反射率を算出し評価に用います.血行状態によって異なる波形の特徴を利用し,強調表示する手法の検討を行っています.血行状態を画像上で判断できるようにすることで,医師が慣れている視覚的な評価方法を変えることなく,より客観的な評価が可能となります.現在,解析するデータ数を増やすなど,定量的な評価を目指しています.
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共同研究者:フロンティア医工学センター 川平洋 准教授

研究費:

受賞:

外部発表リスト:
学会発表
  1. 手塚千絵,小平典子,村井希名,大西峻,川平洋,羽石秀昭: 近赤外画像による臓器の血行状態の定量評価, 第32回 日本医用画像工学会大会,OP8-2, 日本科学未来館/産業技術総合研究所臨海副都心センター (2013.8.1-3)