2016年3月1日

日時:2016年3月1日(火) 15:00 - 16:30
場所:千葉大学 フロンティア医工学センターB棟1階会議室 (西千葉キャンパス)

 

岩井 俊昭
(東京農工大学 大学院工学研究院 生物システム応用科学府)

タイトル
可視域LEDを用いた分光OCTとその応用

概要
我々は,可視域LEDを光源とする分光干渉断層撮像システム(Spectrum-sensitive optical coherence tomography, 分光OCT)を開発してきた.光干渉断層撮像法は,部分時間コヒーレンス光源を用いたマイケルソン干渉計において形成される干渉縞が光軸上で局在することを利用した生体イメージング法である.光の侵達長は,組織を構成する物質の散乱・吸収特性で決まる.そのため,現在流通しているOCTシステムでは,組織の深い領域を観測するために,散乱の影響が小さい波長0.8 mm~1.5 mmの近赤外光が用いられている.近赤外光は可視域の色素によって吸収されないため,OCT画像には吸収の情報が反映されず,組織の屈折率の変化の画像となっている.また,生体組織の顕微バイオプシィでは,染色処理を施して腫瘍部分などの特定を行う.もし,光の吸収に起因する分光情報を反映したOCT画像計測,すなわち分光OCTが可能となれば,組織の切除,固定,ならびに染色処理を行うことなく,生検が可能となる.OCT画像において生体組織の吸収分光情報を反映させるためには,可視域の部分時間コヒーレンス光源を用いる必要がある.本講演では,我々が開発してきたRGB-LEDを光源とする分光OCTを紹介し,染色したヤギ毛内部の色素分布撮像ならびに化粧肌の分光反射特性と化粧剤塗膜厚計測の実証例を概説することによって,その分光画像撮像の可能性を示す.

 

西舘 泉(東京農工大学大学院工学研究院生物システム応用科学府)


タイトル
拡散反射スペクトルに基づく生体機能の計測・イメージング

概要
拡散反射スペクトルを利用した計測では,丸ごとの生体や生きた細胞組織から得られる吸光・光散乱スペクトル情報を解析することで生体機能を非接触的に評価することが可能である.拡散反射光の計測・イメージングは,比較的簡易・安価な計測システムで実現可能であり,特に医療現場において様々な応用が期待できる.本講演では生体組織の血行動態・形態変化の観察と機能イメージングへの応用について,我々の研究を中心に紹介する.

世話人:羽石 秀昭 教授

**貴重なご講演、誠にありがとうございました**

 

2016年03月01日