医工学研究会
医工学研究会
第24回
日時:2011年9月9日(金) 17:00 -
場所:千葉大学フロンティアメディカル工学研究開発センターB棟1階会議室
門平 忠之
千葉大学大学院循環病態医科学・冠動脈疾患治療部
タイトル
造影血管内超音波(contrast-enhanced intravascular ultrasound:CE IVUS)を用いた冠動脈プラークの研究概要
【研究の背景】
動脈硬化の進展には「血管の血管(vasa vasorum))が関与しており、不安定なプラークになるほどvaso vasorumが増殖しています。in vivoで冠動脈プラークのvaso vasorumを検出して定量化できれば、将来閉塞する可能性の高い冠動脈プラークを予測できますので、
心筋梗塞の予防につながることが期待されます。
【研究の目的】
in vivoで冠動脈プラーク内あるいは外膜内のvasa vasorumを可視化して定量化する。【対象】
心臓カテーテル治療をうける狭心症患者【方法】
①心臓カテーテルの際に、血管内超音波(40MHz)を冠動脈内に挿入。
②超音波プローブを冠動脈プラーク内の一断面で固定。
③超音波造影剤(マイクロバブル)を冠動脈内に注入。
④マイクロバブルが冠動脈プラーク内のvasa vasorumを通過することで、プラークのエコー輝度がわずかに上昇する。
⑤マイクロバブルの注入前後のエコー輝度のsubtractionをとることで、プラークのenhancementを定量化する。
⑥enhancementが大きいほどvasa vasorumが多い、つまり不安定なプラークといえる。
【問題点】
①心拍動により超音波プローブが微妙に動いてしまいます。プローブのわずかなズレが、
マイクロバブル注入前後の画像のsabtractionに影響してアーチファクトになってしまう。
それを解決するために、注入前と後の数拍分の画像をそれぞれ加算平均して、
それをsubtractionするという方法をとっているが妥当なのか検証したい。
②40MHzの血管内超音波の解像度は100-150μmです。理論的には数μm-10μmのvasa vasorumは映らない。
マイクロバブル注入により冠動脈プラークがenhanceされるとの報告がみられ、我々もこの研究を始めまた。
40MHzの血管内超音波で研究を続けることは妥当性を検討したい。