平成22年度から発足した基幹プロジェクト1（略称　WAFLES)は体腔内に液体を充填する環境で治療を行うシステムと治療法の開発を目的とする．最初のハードルは出血時に安定的な視野を確保することであるが，体腔内灌流の制御法を確立することで解決した．これにより手術の遂行が安定的にできることが判明したので，安全性評価をおこなう段階に入ったと考える．また灌流量を調節することで大出血にも対応可能なことが示された．液体が充填されることで超音波診断法の利用が柔軟になり，手術における第2の目に発展すると思われる．

本プロジェクトは平成25年度の政府概算（プロジェクト分）に採択されたので，4月から新規“大型外部資金ベースプロジェクト”として再出発することになった．3年間の研究成果を総括して報告する．