患者個人に適した用法用量を設定するため実施する治療薬物モニタリング(TDM)は、 高価な測定機器の必要性、患者への経済的・時間的負担、採血時の侵襲などの問題点があり調剤薬局に適さなかった。 近年、同意のもと本人が指先から採取した少量の血液で各種血液検査や薬物血中濃度を迅速に測定するマイクロTDMが活用され、 高齢化社会への急速な移行などにともない厚生労働省が推進しているセルフメディケーションにおいて、 医薬品の適正使用や健康チェックが調剤薬局で可能となった。マイクロTDMとして、 現行の薬物と測定機器について紹介し、今後期待される薬物や開発が望まれている機器について話す。 （マイクロTDMは、広島大学大学院 医歯薬保健学研究院 臨床薬物治療学 教授 森川則文先生により確立された手法です。）