イベント・研究会

医工学研究会

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第44回
日時:2013年11月8日(金) 18:00 - 19:00
場所:千葉大学フロンティアメディカル工学研究開発センター
    B号棟1階会議室 (西千葉キャンパス)

川田 将也(KKR斗南病院 呼吸器・乳腺外科)
佐藤 明紀(KKR斗南病院 リハビリテーション科)
石田 稔(KKR斗南病院 臨床工学部)


タイトル

3D-CT lymphographyイメージ体表投影を利用した乳癌センチネルリンパ節生検の工夫


概要


【背景・目的】

乳癌センチネルリンパ節生検の際に、CT lymphography (以下CTLG)を施行することで、センチネルリンパ節の正確な位置と個数、リンパ管とセンチネルリンパ節との関係を把握することが可能である。この情報を手術の際に有効に利用するためにさまざまな方法がすでに報告されている。今回われわれは3D-CT lymphographyイメージを体表投影し、センチネルリンパ節同定に利用する方法を報告する。

【方法】

CTLGは以下の要領で原則的に手術前日に施行した。乳輪下±腫瘍周囲にイオパミドール370 0.5~1.0mlを皮内または皮下に注入した。1分間程度のマッサージの後にCTを撮影し、リンパ管、リンパ節への造影剤流入を確認した。センチネルリンパ節直上の皮膚にマジックでマーキングを行った。リンパ管・リンパ節の3D画像を作成、手術室にて麻酔導入後に患側側面の像を術中にプロジェクターを用いて体表に直接投影した。術中は、色素法およびインドシアニングリーン(以下ICG)蛍光法により、センチネルリンパ節生検を行った。

【結果・考察】

色素法では、皮切を加えない限り、青染したリンパ管・リンパ節の位置はわからない。またICG蛍光法においても、皮下脂肪の厚い症例や腋窩部では明瞭な蛍光画像が得られない。3D-CT lymphographyイメージ体表投影法は、これらの弱点を補うことが可能であり、センチネルリンパ節同定の際に有用であった。しかし、投影位置やゆがみの補正などさらなる工夫の余地があると考えられた。

【結語】

3D-CT lymphographyイメージ体表投影法は、センチネルリンパ節同定の補助手段として有用であると考えられた。