脳磁界（MEG）計測とは, 脳神経細胞の電気的活動により生じる磁界成分を,高感度センサを用いて頭皮上から検出する非侵襲の脳機能イメージング法である.MEGは, 脳活動の時空間特性をms/cm単位で即時的に捉える事が出来るという利点を持つが, 外来および生体ノイズの影響を受けやすく, SN比の向上が重要なテーマのひとつとなっている. 我々の研究室では, 計測技術の開発を目指すと共に, 様々な入出力に対する脳磁界信号を計測し, 神経処理機構を時空間的に定量化する事により, 神経系と知覚・認知機能の関係を評価している. 本講演では,MEG計測について概説し, 聴覚野を起源とする定常反応とラウドネス知覚の周波数特性の関係を中心に, 聴覚系（及び音楽系）脳磁界計測の研究を紹介する.

世話人：中川誠司教授